発達障害を知り、付き合っていく

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このブログを始めるにあたり、書きたいテーマがありました。それは「発達障害」です。世の中には発達障害で苦しむ人、また一緒に苦しんでいる家族がたくさんいます。

最近では「発達障害」という言葉がメディアなどで取り上げられることが多く、言葉としては世の中にもかなり浸透してきました。

でも、実際の発達障害がどのようなものか理解できている人は少ないでしょうし、さらに発達障害と呼ばれる人に適切に対応できる人はほんの一握りでしょう。

発達障害という言葉そのものの認知度が上がるのは良いことですが、同時に正しく認識され、当事者やその家族が生きやすい環境になっていけばと思います。

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息子は、発達障害だった

私の息子は発達障害で、今は高校生です。

発達障害は、ASD(自閉症スペクトラム)、ADHD(注意欠陥多動性障害)、LD(限局性学習症)の3タイプに大別されますが、いずれかのタイプに分かれるということではなく、それぞれの特徴が複数見られる場合もあります。

ASDというのは、よく耳にする「アスペルガー症候群」などが含まれています。対人関係に障害があり、こだわりが強い傾向があります。言葉どおりに受け取り、空気を読むことが難しいようです。ただ、一つの事に驚異的な能力を発揮する場合もあるようです。ADHDは、こちらもよく聞く名前ですが日本語表記そのままで「注意欠陥・多動」が症状として現れます。

私の息子は、ADHDとASDの両方がみられましたが、小学5年生になるまでは発達障害の知識など全くなく、

「どうしてこの子は、こんなに育てにくいのだろう…」

小さい頃からずっと、そう思っていました。どのような特徴があるのかといいますと、

  • とにかく落ち着きがない。叱った先から走り回る
  • 思ったことは後先考えずに衝動的にやってしまう
  • 言うことが聞けない(守れない)ので約束ができない
  • 忘れ物が絶えない
  • 部屋が散らかりっぱなし。片付けられない
  • 時間割が合わせられない(高校に入っても)

といった具合です。言うことが聞けない子、ということでとにかく小さい頃から叱りまくっていました。

小学5年になり、次第に、汚いものに触らないと気が済まないという強迫観念に襲われるようになり、ここで異常性に気づきました。ネットでいろいろ検索していると、イーライリリーのページを見つけました。

そこで症例動画を見たときの衝撃は忘れられません。長い間苦しんできた息子の特性が、驚くほど正確に再現されていたのです。そのページを見たときは、発達障害かもしれないショックなど全くなく、世に知られた病気なんだ、という安堵でした。なぜなら、治るかもしれないという希望があるからです。

学校で紹介された病院で受診し、発達障害という診断結果が出ました。

ADHDやASDよりも大変なもの

発達障害が分かってからは、今まで散々叱ってきたことが急にかわいそうになりました。躾の問題や本人の怠慢ではなかったのです。本人は「やろうと努力しても、どうしてもできなかった」のですから。

「同じように悩んでいる人はたくさんいるんだ!」そう思って気が楽になったのは束の間でした。中学に入ると、反抗期と重なったことで二次的に発症したと思われる「反抗挑戦性障害」の症状が出ました。

この障害との戦いは熾烈を極めました。その苦しみは、本人とその家族にしか分からないでしょう。この頃の症状は以下のようなものです。

  • 宿題や提出物が準備できない。そもそも話を聞いてこない。お便りも出さないので先生との意思疎通も困難
  • 集中力がなく授業があまり聞けない。宿題も適当に答えを写すというやり方。危機感もない
  • 注意をすると腹を立てるだけで改善しない。むしろ悪化する。危機感はない。
  • テスト勉強などは、なんとか気持ちを持ち上げてやる気を出させて一緒にやることになるが、些細なことがきっかけで腹を立て、すぐに続行不能になる
  • 部屋が汚い。決して片付かない。部屋に入るとキレる
  • 恒常的に機嫌悪く、希に良い時でも些細な事がきっかけで急転し、暴言を吐き暴れる
  • キレると叫ぶ、暴れる、物を投げる、蹴るなど 手がつけられなくなることもある(食事を床にぶちまけることも)
  • 遊びのレベルや欲しいものの対象年齢が低いことが多い
  • ゲームやスマホに熱中しやすく依存している。途中で邪魔されると間違いなくキレる
  • キレても一時的な感情であることが多く、しばらくすると何事もなかったように元に戻る事が多い
  • 腹を立てると、必ずこちらの怒りに触れたり気持ちを逆なでするような事をあえて言ってくる。こちらが応じて(キレて)しまうと状況は悪化する
  • 一度決めたルールや約束を重視し、臨機応変に対応することができない。ただし自分の都合の良いように解釈して変更することはある
  • 極度に自己中心的で、そのときの気分で約束事のドタキャンは日常茶飯事。機嫌が悪いときは他人の気持ちを平気で踏みにじる。むしろ故意にそういう行動を取ることも多い
  • うまくいかないのは常に人(特に親)のせいにする

このような状況に対応するには、本人に変わってもらうのではなく、こちらが変わるしかありません。しかしこれが難しいのです。頭では理屈を理解していても、実際にトラブルが生じたときには冷静になれず、腹立たしさから対立してしまうのです。中学時代は本当に夫婦ふたりとも疲弊しきっていました。「死んでしまえばいいのに」という言葉すら抵抗なく出てしまうのです。



なんとか高校に入ったものの…

高校受験も大変でした。勉強に集中できない中、模擬試験の回数も多くなり本人も苦しかったと思います。成績は悪く、後ろの1割に入ってしまうくらいでした。どうしでもひとりで勉強することができず、さらに反抗挑戦的な特徴も、本人も含め私たちを苦しめました。

考えた結果、家庭教師をつけました。これは功を奏しました。赤の他人には反抗的な態度が出にくく、醜態をさらすことは恥ずかしいと思っていたのでしょう。家庭教師の先生と家で勉強している時間だけは、一緒に勉強していました。ただ課題を出されても自分でこなすのは無理ですし、回数も週に2回が限界を超え、途中で1回に変更しています。

このような状況なので、県立高校への進学を半ばあきらめていましたが、年明けからテストの点数が上がりはじめ、無事に志望校に合格することができました。自己肯定感が皆無だった息子が、ひとつの大きな成功体験をしたことには本当に涙が出ました。

なんとか高校に入り、最初は新生活が楽しく、わりと活き活きしていました。ただ最近ではスマホゲーム以外何事にも取り組まず、もちろん勉強もしません。今度は進級、卒業が不安です。変な思い込み(強迫観念)に襲われることもあるようで、最近は元気もなくなってきています。朝が起きづらくなり、ついに先日学校を休んでしまいました。

このように息子の状態は常に変化し、また悪化しやすいのです。

これからの人生をどう生きていくか

高校を卒業できるのかどうかはさておき、これからの人生で社会的に自立していくことは困難と考えています。支えてくれる誰かが必要です。社会で生きる力が恐ろしく欠落しています。

定職どころかアルバイトも勤まるかどうか不安ですし、おそらく結婚もできず、車の運転免許も取得しない方が良いのではないかと考えています。

息子は未来の夢や希望を口にすることはありません。子供でなくなった今、生き方について考え、悩んでいるのだと思います。私は人生を懸けて息子が生きやすいようにサポートしていくつもりですが、環境的に恵まれない同じような境遇の方が生きやすい社会になることを願っています。



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